取り扱いピアノ
スタインウェイ&サンズ社では、160年の歴史をとおして、記念すべき機会に、著名なデザイナーに特別なモデルの製作を依頼してきました。これらの限定モデルを手にしたオーナーは本当にラッキーな方々です。これらの貴重な楽器は、1台1台にデザイナーの個性が発揮された、まさに特別な作品なのです。
スタインウェイ&サンズ社創立160周年を記念して、著名な家具デザイナーであり、アーティストとしても知られるダコタ・ジャクソン氏とのコラボレーションによる特別なピアノが製作されました。独創的かつ革新的なデザインの「アラベスク」の誕生です。
「アラベスクはダンサーです。クラシック音楽であっても、現代音楽であっても、その音楽を奏でるピアノと同じくらい幅広い表現力で舞っているダンサーが夢に現れたのです。
一目惚れでした。連想したことを感じたままに表現し、それが形になりました。つまりアラベスクのデザインは、私の夢から生まれたのです」
ダコタ・ジャクソン
シューマンの温かくて抒情的な楽曲“アラベスク”やドビュッシーの哀愁漂う同名の最高傑作のように、スタインウェイ&サンズ社創立160周年記念限定モデルは、その純粋な美しさが格別な印象を残します。ダコタ・ジャクソンによって生み出されたこのピアノは、流れと動きを感じさせる美しいデザインが特徴的です。
スタインウェイ&サンズ社とダコタ・ジャクソンとの協力は、大きな反響を呼んだ2000年の“ピアノ生誕300周年記念限定モデル”に始まります。そして今、“アラベスク”で私たちの特別な絆はさらに強くなりました。「私にとって、ピアノといえば“スタインウェイ”なのです。スタインウェイ以外のピアノをデザインすることは考えられません。」とジャクソンは述べています。
スタインウェイ・ハンブルク工場の設立125周年にあたる2005年に、世界で最も美しいスポーツカーと称されるBMW507のデザインを手がけた世界的に著名なアルブレヒト・グラーフ・ゲルツ伯爵によって、非常にシンブルなデザインで目を惹くスタインウェイの記念限定モデルがデザインされました。ゲルツ氏は、音楽を動きと捉え、そのアイデアをデザインに反映させました。スタインウェイのクラシカルな黒色塗装仕上げを活かしたまま、複数のパーツになめらかなラインを採り入れた彼らしい手法で、時代を超えた、エレガントで官能的なデザインを完成させました。スタインウェイのグランドピアノとしての形状は変えられないため、彼は外装にこだわり、艶出しと半艶仕上げのコントラストをつくり出し、ピアノに命を吹き込みました。この限定モデルのサイズはA-188、とてもエレガントで美しいピアノです。奇抜なデザインを採用するのではなく、ゲルツ氏はすべての無駄をそぎ落とし、あくまでもシンプルさを追求しました。設立125周年記念限定モデルは魅力と美的感覚に溢れた世界に唯一のグランドピアノです。
スタインウェイ&サンズ社は2003年の創立150周年を迎えるにあたり、カール・ラガーフェルド氏にピアノのデザインを委嘱しました。スタインウェイのA-188モデルの特徴であるワイドテイル設計に調和する鮮やかなラインを採り入れてデザインしました。カール・ラガーフェルド氏の基本構想は「そり」の形を模したグランドピアノで、長方形のフォルムをした脚部が特にそのイメージを表しています。またこの記念限定モデルの名前「S.L.ED」には、Sled(そり)と“Steinway” “Limited” “EDition” の頭文字の二通りの意味が含まれています。ピアノのカラーも特徴的で、日本の伝統的な漆器にインスパイアされた同氏のデザインにより、ボディーの黒色半艶消塗装仕上げに、アクセントとして漆の朱色が使われています。
スタインウェイ創立150周年のような大きな節目にあたる年には、ひとつの特別モデルだけでなく、もうひとつのモデルが必要でした。これがカール・ラガーフェルドによるモデルとともにつくられた、“ヒストリカル”モデルです。この記念限定モデルは、ポーランド人ピアニストのイグナツ・ヤン・パデレフスキーが、1892年から93年にかけての歴史的な全米コンサートツアーで弾いたスタインウェイピアノの復刻版です。 このモデルには、エレガントでクラシカルな19世紀後半のヴィクトリア朝の家具デザインが採り入れられています。縦溝彫りが施された脚部や、中央部にスタインウェイのライラが彫られている見事な譜面台など細部にさまさまなこだわりがあります。“ヒストリカル”モデルはエレガントな艶消塗装で、B-211とO-180の2つのサイズ、東インド産ローズウッドと黒色の2種類の仕上げでつくられました。
ピアノ誕生から300年にあたる2000年は、特別なグランドピアノをリリースするのに相応しい年でした。スタインウェイの伝統であるクラフトマンシップと技術革新を踏襲しつつ、その素晴らしい楽器が音楽の世界に変革をもたらすような特別なピアノをつくる挑戦となりました。スタインウェイは、シンプルでありながら独創的なアプローチで知られる著名な家具デザイナー、ダコタ・ジャクソン氏にデサインを依頼しました。そしてこの300年記念限定モデルが、ピアノが本来持つ美しさと数々の技術革新を備え持つ魅力的なピアノとして誕生しました。優れたピアニストでもある同氏は、優雅な姿やパーツの細部、印象的なラインにこだわりました。第一印象ではその軽やかさ、そしてエレガントさが感じられます。また、特徴的なデザインが、3つのパーツに分かれて扇のように開く天屋根や、モダンなテイストを強調しているS字型にカーブした突上棒などに表されています。
ジョン・レノンの歌のように、イマジン・シリーズは、単に各パーツをあわせて完成させたものより、さらに大きな作品となった、音楽と創造力の完璧なハーモニーです。"イマジン・シリーズ"の原型は、ジョンが1971年に夫人のオノ・ヨーコさんへ誕生日プレゼントとして贈った、スタインウェイの白いグランドピアノです。全てのモデルに、この記念モデルの証としてのジョン・レノンのサイン、楽譜の一部、記念のメダリオンが施されています。 イマジン・シリーズには7つのモデルがあります 譜面台には、ジョン・レノンのオリジナルの7種類のイラストより1点が描かれています。ビートルズの歴史的なアルバム『アビー・ロード』のオープニングを飾った曲と同じタイトルの“カム・トゥゲザー”。このイラストは人々をひとつに、というジョンの願いが込められています。“グランドピアノ”のイラストは、曲づくりにおいてミュージシャンとピアノがひとつになる過程を描いています。 “フレダ・ピープル”では、音楽によって人々に何かを与えたい、という彼の情熱を表しています。“セルフ・ポートレート”は、おそらく彼のイラストの中で最も有名なものです。わずかな線で描かれた表情は紛れもなくジョン・レノンです。“ボロード・タイム”は、ジョンが『イマジン』を作曲したときのように、アップライトピアノの前に座っているイラストです。“フロッグ・ポンダリング”は、まさしくジョンの創造力と遊び心がブレンドしている様子が描かれています。“イン・パワー・オブ・ピープル”では、自由の女神となっているジョンの姿から、自由、そしてニューヨークに対するレノンの愛が表現されています。 全てのイマジン・シリーズの響板は、ジョン・レノン自作のイラストをもとにしたデカールで飾られています。 イマジン・シリーズの売り上げの一部は、スタインウェイ&サンズ社より「ジョン・レノン・エデュケーショナル・ツアー・バス」へ寄付されます。